2009年03月29日

★13 河津七滝フリーフォール(河津川1◆78)

水位:-0.15m(峰大橋) 気温:10℃(稲取) 天気:晴れ
区間:蛇滝上〜蛇滝下(0.1km) メンバー:後輩1号&川太郎(撮影)

 下田は清流荘の位置を地図で確かめると、河津川がお隣の河津町を流れています。
 河津川は、天城連山(最大1,406m)を水源とし、荻ノ入川を出合滝で合わせるなどして、静岡県賀茂郡河津町を南流し、相模灘に注ぐ二級河川です(幹川流路延長は9.5km,流域面積は79.9ku)。

 河津川といえば、河津七滝が観光名所として有名ですが、雑誌“playboating@jp”vol.5(03年10月)に巻頭記事で紹介されており、一部のパドラーにとってはクリーキングのフィールドとしてその存在を知られています。いつの日か下れるようになりたい…、と思っていた渓流。そんな憧れの川が、偶然予約できた宿のすぐ近くにある。何とも不思議な縁です。これぞ神のお導きに違いない。

 ところで、河津七滝は上流から順に次のような構成になっています。
 ※滝名(高さ/幅/長さ)
 釜滝(22m/2m)
 かに滝(2m/1m/15m)
 蛇滝(3m/2m/25m)
 初景滝(10m/7m)
 えび滝(5m/3m)
 出合滝(2m/2m)
 大滝(30m/7m)

 “playboating@jp”の記事では、釜滝下〜出合滝手前までを下降しています。その他、ネットで調べると、明治大学カヌー部さんが落差10mの初景滝を落ちた映像などが見つかりました。ここからは、滝落ちのプレイスポットとして楽しんでいる印象を受けます。クリーキングは難しくとも、こういうスポット限定での遊び方なら比較的実現は容易やなと。
 考えた結果、基本は蛇滝でスポット。できれば初景滝もチャレンジ。さらにできれば蛇滝〜初景滝まで通しで下りたい。かような計画を立てました。しかし初景滝なんかは高所恐怖症の私にとって明らかにキャパオーバー。かつてない機会に胸がときめく反面、極度の緊張と重圧で胸が押しつぶされそうになる平日を過ごしたのでした。

 さていよいよ今日を迎えました。
 下田から河津町に入り、R414を河津川沿いに北上していく。もちろん川相を確かめながら。10kmに満たない小河川ですが、天城連山南陵の水を集め、この規模にしては豊富な水量を有しています。下流域は浅く広がり、緩やかに流れ、何とか航下は可能と思われますが、両岸がコンクリで固められており、今ひとつ味気ない感じ。そのうち道路との高低差が広がり、川は見えなくなります。
 河津町営無料駐車場に到着したのは10時半。MAX80台という駐車場の埋まり具合は8割程度。観光バスが2台、停車しています。この先は車両進入禁止なので徒歩となります。まずは下見がてら観光しましょうとラナも連れてぶらぶら散策しました。駐車場のすぐ下にある遊歩道へ入ると、出合滝(であいだる:6番目)があります。



 落差は2mと書いてあります。七滝のうちでは最小の部類ですが、松坂の高速スライダーのような形状が与えるインパクトは巨大でした。一生、下れる気がしません。ちなみに遊歩道の終点では七滝のラスト、大滝の口が見えます。
 再び車道に戻り歩いていくと、かに滝(5番目)に下りる遊歩道の道標がありましたが、パスして初景滝(4番目)を目指すことに。駐車場から10分ほど歩いたところで、ようやく見えてきました。



 今回のプレッシャーの元凶となる滝です。うーん、実物見たら覚悟決まるかもと思いましたが、やっぱり怖いものは怖い。できると頭では分かっていても、どうしても萎縮してしまう…。あまりの緊張に胃が縮み、吐き気すら催してきました。思い切ってやるか、潔く止めとくか、まだ決められない。周りの観光客は、滝に見惚れる人あり、踊り子のブロンズ像と記念撮影する人あり、一様に楽しんでいて、私と同じ顔をした人は見あたりません。
 なお、幅広の舗装路はここで終わり。ここからは登山道となります。とはいえ、道幅も広く、手すりもあり、かなり整備されているので非常に歩きやすい。初景滝を巻き、さらに5分ほど歩くと目的地の蛇滝が見えてきました。

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 高さ3mとあります。
 嘘やろ、と思いました。どう見ても5mくらいあるように見えます。しかしまあ、危険な障害物のない直瀑で、滝壷で巻かれたり、滝の裏に連れ込まれたりすることのなさそうな、非常にシンプルで美しい形状をしています。これなら滝落ち初心者の私でも何とかなりそうと感じました。
 さらに遡上して残りのえび滝、釜滝も見てみたかったんですが、残り時間が気になるので、後ろ髪引かれる思いで引き返すことにしました。
 駐車場に戻り、今度は着替えてから蛇滝まで向かう。ドライスーツ姿にダッキーを丸めたまま背負い、バリバリの観光地を歩いていきます。ほとんど罰ゲームです。周囲の好奇の視線は覚悟していましたが、意外にも無関心です。てゆうか、誰も目を合わせようとしない(笑)。

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 再び蛇滝に到るや、今度は滝の上からじっくり下見します。滝に至るまでに落ち込みが二段。二段目が若干優しくなく、中央が浅くてスタックの可能性があり、左岸側から回り込む必要があります。例えるなら、プールの滑り台がカーブするとき、遠心力でアウトサイドに振られ傾きながら流される、そんなイメージです。あとは躊躇わずに勢いよく飛ぶ。これはもう、技術より度胸の問題、だと思っていました。

 滝崖は、六角形が規則正しく並ぶ柱状節理からなっており、本当に蛇の鱗のように見えるから興味深い。渓流はあたかも大蛇の胎内の脈動のようであり、そして瀑は斬られた首から迸る血飛沫のよう。大蛇伝説そのままの舞台に自ずと気持ちは高揚します。
 いよいよスタート。エディーでサイストラップを固く締め直し、深呼吸して一気に走る!

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 最も意識を集中していたのは二段目の斜めスライダー。ここを乗り切ると、あとは加速をつけてブーフを…とイメージしていましたが、二段目でとんでもなく加速がついており、ほとんどオートマティックに「飛んで」いました。そう、「落ちた」というよりは「飛んだ(飛ばされた)」という感触でした。生まれて初めて味わう感触です。

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 気が付けばもう着水。反射的に後方にのけぞっていたためか(水面に対しては垂直方向)、着水時に跳ねてややウイリーしましたが成功です。
 結局、七滝の名にちなんで合計七本、滝落ちを敢行しました。



 映像などで見る限りでは、

@パドルはロールのセットポジションのように横に持ち(ボートに平行)、
Aボートの着水面はバウ先、つまり水面に対して垂直になるようにして、
B前傾姿勢を取り、

落下しているケースが多いように見受けられます。そこで二本目は、着水時の姿勢を意識して落ちるようにしました。

 異変が起こったのはこの時です。

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ニックネーム ラナ父 at 22:16| Comment(12) | TrackBack(0) | 東海>河津川(河津七滝) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする