2009年12月05日

57 桂川リアルロワー(桂川5)

水位:1.13m(桂川強瀬) 2.31m(大月) 気温:8℃(大月) 天気:曇り後雨
区間:猿橋公園〜桂川清流センター(約x.xkm) 所要時間:約2.5h メンバー:花鳥、後輩1号&川太郎(回送)


 先々週はアッパーセクション(川茂〜駒橋)でしたが、今度はロワーセクション(駒橋〜相模湖)で放流が始まりました。開始されたのは、金曜日の正午頃。大月観測所水位は、約1.8mから2.3mへと一気に約50cm上昇しました。以前の水位なら、190〜200cm程度というところでしょうか。目印の岩は、水没しています。

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 プットインの猿橋公園で嫁さんが地元民から聞いた話によれば、この放流は、八ツ沢発電所取水口に溜まった土砂などの除去作業のために行われているとのことです。ここからは憶測ですが、おそらくこういう仕組みではないかと考えます。

 【通常】
 駒橋発電所から発電放水
   ↓
 直下の八ツ沢発電所取水口(堰堤)から取水

 【現在】
 駒橋発電所から発電放水
   ↓
 八ツ沢発電所取水口に水を流さず、隣の桂川に放流

 ポイント切換機みたいなのがあって、水を川に流すか取水口に流すかコントロールできるんですかね? いずれにせよ現在、八ツ沢発電所で使われている水が(おそらく全て)河道に放流されることにより、桂川のこの区間は太古より明治の世までは日常的だった雄々しい姿を取り戻したことになります。

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 駒橋〜松留間の落差は約116mという急勾配。豊富な水量に、この渓谷状の地形、そして首都圏からのこの近さといい、開発の対象から免れるのは難しかったでしょう。水力発電建設の黎明期である明治時代後期より開発されましたが、驚くべきことに、当時の施設が未だ現役で稼働しており、平成17年には国の重要文化財に指定されています。
 日本三奇橋のひとつ、猿橋と並んで架かる八ツ沢発電所一号水路橋をくぐり抜けた時に花鳥に言ってみましたが、まるで興味なさそうでした(笑)。

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 普段の水量ではガリガリで下れない場所も、超快適な瀬になっています。どんどんと流され、あっという間に曙橋を通過し、鳥沢付近までやってきました。
 ここで楽しそうなホールを発見。よく回りますが、カヤックにはちょっと浅いみたいです。
 花鳥による命名は、「鳥上ホール」だそうで。理由は、鳥沢ホールの上流にあるから。うわー、超短絡的やん…。

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 先週下った時、消滅か!? と危惧された鳥沢ホールですが、フツーにありました。先客は「カエルアドベンチャー」のツアーご一行だけで、予想外に空いています。

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 意を決して、入ってみることにしました。

 すんごい巻きっぷりです。沈しないように堪えるのがやっとで、能動的に動く余裕は皆無でした。同じ目線のはずなのに、カヤッカーの皆さんは涼しい表情で乗り続けています。いつか、ああいう顔で乗れる日が来るんでしょうか。



 予報通り雨が降り出し、気温が下がってきましたが、人は減るどころか、順番待ちは10人を越えるまでになりました。中には「ベイビートラウト」のいばさくさんの姿もありました。ベビトラといえば、東のベビトラ、西のNKCと並び称されるほどの大組織です(笑)。
 花鳥から撮影の要求があったので、一枚。すいません、ぼやけまくってしまいました…。

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 一時間ほど興じた後、再出発。
 このセクションの核心部、キャンプ場の瀬は異様な雰囲気に包まれていました。

 「結構すごいことになってると思うで。いっぺん、上陸して撮ろか?」
 「いや、大丈夫ですよ。そのまま突っ込みましょうよ」

 このあたりは勾配がさらにきつく、また両岸、川床が岩盤状で、さらに川幅が狭い。基本的に川は下流に向かって流れるものですが、こういう地形に大量の水が流れ込むと、上下左右360°,あらゆる方角に向かって暴れ出します。
 入口付近のボイルを見て、これはヤバいかもと感じました。そういや、先々週のアッパーセクションでは至るところでこんなんがありましたわ。ふと、思い出しました。
 後半に入ると、爆発を起こしたかのように水流が随所で弾けています。もはや、ギャラクシアンエクスプロージョンです。いや、異世界への入口という意味ではアナザーディメンションですわ。

 そこは、魔界でした。

 魔族いました。

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 魔界への誘い

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 ※写真撮る余裕はもちろんなく、代わりにイメージ画像を挿入しました。

 最後は、目の前一面がすべて真っ白。アッパーでの沈がふと脳裏をよぎる。身体を前傾にして、振り切るようにして漕ぎ抜けました。水ブネノーコンとなりつつも、何とか、生還。


 梁川の「ともだち」は、荒れていました。先週訪れた際に見せていた優しさは姿を消し、憤怒の表情を浮かべています。阿修羅面が、笑い→怒りにチェンジしたかのような豹変ぶりです。
 瀬の真ん中には、中央左岸寄りに巨大なホール、ラストには右岸寄りにあった岩が水没し、ここにも強烈なホールを作っていました。中央のホールを右にかわし、ラストのホールに被弾。遊ぶ余裕など無論皆無で、全力で脱出しました。今日の「ともだち」には、そっとしておいたほうがええでしょう。立ち止まることなく、過ごしました。

 心高ぶるダウンリバーでした。このコースは、アッパーセクションの陰に隠れて霞んでしまいがちですが、鳥沢ホール手前の瀬、核心部キャンプ場の瀬、そして「ともだち」のいる梁川の瀬などはかなり迫力があります。サムライ、ハラキリの二箇所を除けば、アッパーとおっつかっつと言えるかもしれません。次は、四方津まで距離を伸ばして下ってみたいです。

 ナンセンスですが、考えずにはいられません。もし、発電所が存在せず、本来の流量が常に桂川を流れていたら…。御嶽と人気を二分し、関東圏、否、日本を代表するフィールドとなっているのは間違いないでしょう。カヤック界の歴史も、異なったものになっているかもしれませんね。

ニックネーム ラナ父 at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越>桂川(相模川) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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