2009年09月22日

44 東北ファーストトリップ(小国玉川1◆85)

水位:0.93m(玉川) 気温:21℃(小国) 天気:曇り時々晴れ
区間:中田山崎〜手ノ倉沢(交代)〜?? メンバー:ぺーさん、シバさん、takeさん、さっちゃん、tetsuさん、FCK元やん、Solaさん、後輩1号、川太郎(回送)


 齢32にして初めて東北の大地を踏みしめました。FCK元ヤンには幾度となく彼の地へお誘いいただいており、最初の訪問は福島県が濃厚と思ってたんですけどね。実際足を踏み入れたのは山形県は小国町でした。集合場所である「道の駅白い森おぐに」までの距離は約400km。ウチから長良川までの距離とほぼ同じです。所要時間は途中で食事休憩しながらでおよそ5時間半でした。

 今日ご一緒するメンバーは、関東からtakeさんとさっちゃん。そして地元東北勢にFCKの元ヤンとソラさん、仙台からはtetsuさん、ぺーさん、シバさんが来られました。ぺーさん、シバさんとは初対面です。
 行き先は荒川支流、玉川渓流。パドラーの間では「小国玉川」と呼ばれる清流です。

 玉川(小国玉川)は、飯豊山(いいでさん;標高2,105m;日本百名山)を水源とし、北流して小国町玉川にて荒川(小国荒川)左岸に流入する荒川水系の一級河川です(流路延長、流域面積は不明)。
 ちなみに本川の荒川も、平成20年全国一級河川水質ランキングで第1位に輝くほどの清流として知られています。

 このところ渇水続きで水量は過去最低らしく、下れるかは微妙なところらしいです。確認のために新田橋から崖下を覗いてみました。

090922ogunitama002.jpg

 眼下を流れる渓流は、思わず息を呑むほどの透明度でした。一口に「清流」といっても、ピンからキリまでありまして、例えばご近所の御嶽や桂川だって私は清流だと思っています。ここの「清流」は、ピンと断言してよいでしょう。橋からの眺めに、すっかり心を奪われてしまいました。
 水量は、ザラ瀬がちょっと厳しいかなという印象ですが、何とか下れるレベルにはあるように感じました。というか、これだけ完璧に近い透明度を誇る川なら、瀬ごとに歩く羽目になっても別に構いません。
 シバさんがみんなの意見を聞き、航下区間を設定しました。今日はこの方がリーダーのようです。後で漕ぎっぷりを見たり話を聞いた限りでは、私など足元にも及ばない、相当に経験を積んだ方のようです。

 プットインは、発電放水口のある中里のバス停からとなりました。ここから上流にもプットイン地点があるようですが、減水区間のため厳しいと判断されたようです。
 なお、ここが「中流コース」のプットインのようです。本日の航下コースは「中流コース」と「下流コース」を足したロングコースで、テイクアウト地点は赤芝ダムのバックウォーターに近い玉川地区の入川道。ここは私有地で立入禁止となっていましたが、ソラさんが事前に地主に挨拶に伺い、許可を得ていたようです。中間地点は手ノ倉沢出合。「下流コース」のプットイン地点でもあります。

 ◆川地図作成中

 川までの長い長い道を担ぎ歩いてようやく川原に到着。周辺は、大きな岩が転がるゴーロ帯でした。そして川の水は、雲間から光が差し込むと森の緑を溶かし込んだようなエメラルドグリーンに映えています。まさに宝石の輝きでした。

090922ogunitama011.jpg

 今まで下った中で最高クラスのキレイな川といえば、紀伊半島の赤木川、大塔川、小川がまず思い浮かびますが、それらに匹敵するほどの特Aクラスだと思います。ただ、水量は小国玉川のほうが圧倒的に豊富で、この規模の川でこの透明度を維持できている点では紀伊半島の三川より貴重と言えるかもしれません。

 いよいよスタート。最初の瀬には放水口がありましたが、今日のこの時間に限っては放流されていたかどうか微妙でした。上流も取水されておらず、同等の水量だった可能性があります。

090922ogunitama014.jpg

 ちなみに、この小国玉川には、今回下った「中流・下流コース」以外にも「上流コース」が存在するようです。中流コースのプットインより上流は、地図を見た限りでは発電取水のため減水区間となっており、取水堰堤がいくつか立ちはだかっているものと予想されます。一度機会があれば、じっくり時間をかけて下見してみたいと思います。



 しばらく進むと、お待ちかねゴルジュ帯が見えてきました。

090922ogunitama020.jpg

 苔むす岩壁の美しい眺めに花を添える流れ込みは、岩壁を削り、細い筋を作って、ナメ滝となって本流に注いでいます。

P9220057.jpg

 瀞場をしばらく進むと大きな瀬。コース取りは単純ですが、勾配がきつく、かなりスピードが出るのでちょっとドキドキしました。

090922ogunitama026.jpg

 最後はホール。増水時は相当強烈になるそうです。

P9220059.jpg

P9220069.jpg

 この瀬を過ぎるとさらに川幅が狭くなります。巨大な生き物の胎内にいるような感じがします。
 そこには、理想的な光景が広がっていました。これだけの規模のゴルジュと、これだけのクリアな水質を併せ持った川はちょっと記憶にありません。車道を走っていた時、このあたりの左岸側は田んぼが広がっていたんですが、崖下がこんな場所になっていようとは想像すらしませんでした。

090922ogunitama031.jpg

 さらに400m程度漕いだところででゴルジュ区間は終了。もうちょっと続いてほしかったな〜。後ろ髪を引かれる思いで先に進みました。

P9220091.jpg

 向片貝橋が見えてきました。これで行程の約半分です。

090922ogunitama039.jpg

 橋の少し下には小さなホールがありまして、そこでしばらくスポットプレイに勤しみました。ミソギと逆の時計回りなので回しにくい…。

090922ogunitama044.jpg

 基本的な川相は瀬と瀞場が交互に現れるというもので、瀬のほとんどはザラ瀬でした。リンクスでは時々底を擦りながらもギリギリでスタックせずに下れるレベルでしたが、takeさん&さっちゃん&jetが乗る巨大戦艦オリノコにはちょっときつかったようで、何度かライニングダウンされていました。

090922ogunitama047.jpg

 さらにいくつかの瀬を過ぎると、「鱒止めの瀬」と呼ばれる場所に出ました。中流・下流コースのハイライトだそうです。といっても何でもない瀬で、最初のゴルジュの瀬のほうがよほど迫力があるかのように思えました。しかしシバさん曰く、増水時は巨大ホールとボイルの嵐だとのこと。
 瀬は前半と後半に分かれていました。
 まずは前半部。増水時はここに巨大ホールができますが、沈脱が許されない後半部が連続しているため、難度が格段に上がるそうです。

090922ogunitama051.jpg

 続いて後半部。通常ルートは中央ですが、今日は水量不足のため左岸寄りにルートを取りました。



 ここが難所と認識されているのは、本流が川の中央に突き出た大岩にぶち当たっていて、確実に左岸にかわさなければならないからです。右岸側は絶対NG。右岸側を塞ぐ岩の下がシーブになっていて、引っかかるとほぼ確実に死亡するからです。
 今日の流速なら楽勝で岩を避けられますし、仮に泳いだとしてもほぼ静水なので吸い込まれる危険はありません。しかし増水時はこの場所はボイルと化しかなり複雑で不安定になるようです。
 シーブの手前まで漕いで覗き込んで見ると、大きな流木が沈んでいました。通り抜けるのは、難しそうです。

090922ogunitama056.jpg

 ここに入って生還した人もいるらしいですが、亡くなった方もいるそうです。ダッキーの死亡事故もあったそうです。なんかそういう話を聞くと、今日の水量でも絶対沈したくなくなりますね。何も気にせず下れるレベルのはずなのに、緊張して体が固まってしまいそうです。実際、左岸の岩に寄せられたので、ラッピングを防ぐために左にリーンをかけたら、右岸側のエディーラインに食われて(逆リーン)一瞬ドキッとしました。

P9220136.jpg

 元ヤン、Solaさんと無事に下ってきましたが、takeさん艇が瀬の真ん中の岩をかわしきれずにラッピングしてしまいました。

P9220162.jpg

 まもなく、さっちゃんが流されてきました。左岸側の安全ルートを流されるように指示して現地へ向かう。今いる位置からではjetの姿が確認できず、ふと不安になったのです。元ヤンと右岸沿いに駆け寄ると、果たしてjetは半分水没したフネにかろうじて乗っている状態でした。一応の無事を確認して、とりあえず一安心。
 takeさんがjetに泳ぐように指示、無人となったフネをtetsuさんと二人がかりで引き剥がしにかかっていますが、水圧が強すぎてビクともしません。

090922ogunitama058.jpg

 こうなりゃ人海戦術と、Solaさんと私も加わり、引きやすいようにロープを繋ぎ直し、角度を再調整してようやく引き剥がせました。良かった、良かった。

 その後いくつかの浅瀬を乗り越えて、中間地点の手ノ倉沢出合に到着。

P9220164.jpg

 ここで食事休憩。

090922ogunitama066.jpg

 その後、嫁と交代して私とラナはここで上陸しました。

090922ogunitama068.jpg

 ついでにtakeさんたちも上陸。オリノコではやはりキツかったようです。動きを見てたら、ダッキーというよりはラフトみたいでしたから、コントロールが相当難しいんでしょう。

090922ogunitama070.jpg

 我々陸上班が着替えと回送を済ませ、テイクアウト地点に到着したのとほぼ同じタイミングで、カヌー部隊も到着。嫁に聞いたところ、倒木があった以外は危険な箇所はないけど、そこそこの瀬が続いて退屈しなかったということでした。

P9220171.jpg

 あと、ラナがいないとボートコントロールがめちゃめちゃしやすいと驚いていました。まあ、30kgのグラグラ動くオモリを乗せて下っているようなもんですからね。何はともあれ良い気分転換になったようで何よりです。

P9220183.jpg

 川下り終了後は、「道の駅関川」付近まで西進し、荒川の河川敷にテントを張りました。
 日頃ラナと暮らしているからか、川太郎はjetが近付いてもまるで怖がらないどころか、肉球をつまんだり、跨ったり、嫌がらせばかりしてます。最初は川太郎に友好的だったjetも、だんだん距離を取るようになってしまいました。うーん、ラナも同じこと毎日されてるはずですが、よく耐えてんなー。

090922ogunitama088.jpg

 日が暮れた頃、一同タープの下に集い、キムチ鍋やちゃんこ鍋、焼き肉などに舌鼓を打ちました。やっぱりキャンプで食べるご飯は最高ですわ。

090922ogunitama099.jpg

 夜半から小雨。半分寝ぼけながらテントから起き出し、外に出したままだったギア類を片付け、テントのフライのペグを打ち直す。一緒にテントに入っていたラナは、その間まったく起き出してくることがありませんでした。こいつも歳取ったなあ…。

 夜が明けても雨は降り止むことなく、かといって増水する気配もまるでなく、予定していた荒川赤芝狭は依然過去にない渇水状態だったため、ダウンリバーは中止、名残惜しくもこの場で解散となりました。

 さて、今回の小国玉川遠征で、下った川の本数はトータル85本を数えました。年間目標は10本でしたが、これをもって達成です。目標を立てた当初、ラナが生きているうちは絶対無理やなと思っていました。20年くらいかけて、2代目、3代目と受け継いでいくのかなと漠然と思っていましたが、気がつけばあと15本。ゴールが、見えてきた感じがします。うまくいけば、ラナが現役のうちに達成できるかもという欲が出てきました。

 だんだん下れる川はなくなるんちゃうかと危惧していました。実際、50〜60本の頃は、もう下りつくしたんちゃうかと思ってました。しかし、85本という領域まで来ると、もはや逆で、下りたい川の候補は爆発的に増えています。
 昔は、ただ純粋に漕ぐのが楽しくて、川に出られれば満足でした。現在は、川地図ガイドに載っていない川を見つけ、開拓していくという行為にも大きな満足感を得るようになりました。これは、掘り出し物を探すという行為、下れるかどうか見極めるという行為に楽しさを覚えるということで、漕がずに、下見するだけでも充分楽しめるということです。その点において大きな変化が起こっていると思います。ラナが歳を取ったように、私も歳を取ったのかなあとふと感じた次第です。


ニックネーム ラナ父 at 19:23| Comment(6) | TrackBack(2) | 東北>小国玉川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
東北発降下おめでとうございます。そしてついに85/100のようで、なによりです。広範囲に85の川を下った方の玉川の評価はとても参考になります。

美しい水質と景色の中久しぶりにラナたちと漕げて楽しかったですね。次回は是非福島の川をチャレンジしましょう。
Posted by 元やん at 2009年09月28日 07:37
玉川は、これまで下ってきた85本の中でも五指に入る清冽さでした。400km走ってきた甲斐があったというものです。

また訪れる機会があれば、上流部の下見もしてみたいです。また、支川の内川、足水川も水量多そうなので下れそうですね。また、荒川本流と横川、金目川もぜひ見てみたいです。さっさと帰るんじゃなかったと後悔してますわ。

福島県の川は、浜通りの川も行ってみたいですが、最初に行きたいのはやはり会津ですかね。
なかなか頻繁には行ける距離ではありませんが、訪問の折にはどうぞよろしくお願いします。
Posted by ラナ父 at 2009年09月29日 06:47
久しぶりにご一緒させて貰って楽しい川遊びになりました。

実はあの日の朝、新田橋より足野水〜市野沢〜足水中里へクルマを走らせたんです。
車中からの足水川は下れる川には見えませんでした。
また、かなり昔ですが、長者原より上の内川で竿を振ったことがあります。
その頃はカヌーを全く知りませんでしたが、下れるような川ではなかったと思います。

玉川もフツウに考えれば笊淵橋より下流でしょう。
上流部といっても玉川中里からエントリーすることが多いようですね。
梅花皮荘より上流で死に目にあったレポートを見たこともありますが。
梅花皮荘入り口に掛かる橋にはすぐ上流にシーブもありました。

荒川は越中里地区より下流で、横川は伊佐領付近落合橋より下流で実績があるようです。
まぁ小国の川は雪解け水の入る時期ならどこへ行っても水量に困ることはないと思います。

帰ってから元やんに「翌日もラナパパにつき合って下れば良かったじゃん」と言われハッとしました。気を利かせることが出来ずに失礼しました。
あらら、いつのまにやら長文・・・ペコリm(_ _)m
Posted by ソラ at 2009年09月29日 19:50
こんばんは。こちらこそ先日はありがとうございました。

日曜日のことはお気になされなくて結構ですよ。あの時はホントにお腹いっぱいでしたし、事前に地図も何も見てなくて、玉川と荒川(赤芝峡)しか知りませんでしたから。
後悔の念がわき始めたのは、帰宅後に渓流釣りの本を大量に買い漁って、荒川水系のデータが集まり出してからです。

本を見て、玉川でよさげだなと思ってたのは、カイラギ荘よりもっと上流、飯豊温泉付近です。仮に下るとしても、事前に陸から下見して安全確認できたところだけでしょうね。
横川は伊佐領ということは、ダム下なんですね。私が興味を向けていたのはダム上流でした。先日調べると流量が1tしかなかったので、足水川、内川と一緒で増水時狙いになると思います。

http://www.hrr.mlit.go.jp/uetsu/contents/dam/yokokawa/realtime/flow/index.html

てか、横川の東隣はもう最上川の水系になるんですね。Actonさんが愛して止まない会津の阿賀野川水系といい、調べれば調べるほど南東北は最高の環境ですねえ。羨ましい限りです。
Posted by ラナ父 at 2009年09月29日 22:34
先日は久しぶりにご一緒できて、ありがとうございます。
これに懲りず東北遠征を徐々に増やしてください。

しかし小国玉川レベルになると、あまり知らないんですよ。

玉川の本日の水位上昇を見ますと1時間に9mm雨が2時間続くと
4〜5時間後に水位が1mも上がっていました。
結構水位の上がり方が激しい川ですね。
Posted by tetsu at 2009年09月29日 22:39
こちらこそ最高の川下りをありがとうございました。置賜地方はtetsuさんもそれなりに距離のある場所ですから、お互いに徐々に開拓していけたらいいですね。

玉川雨量と水位、私も確かめてみました。

2400時から0600時までの間に累加雨量33mmで、
2400時に0.89m、0600時点で1.82mまで増水してますね。
で、現在2300時点で1.01mまで下がってます。

上がり方だけでなく、下がり方も激しいですね。飯豊の山々は保水力抜群なので水量が安定していると思い込んでましたが…。源流のほうでえらい降ったかもしれないのでまだなんとも言えませんが、本降りの日は避けたほうがよいでしょうね。
Posted by ラナ父 at 2009年09月29日 23:15
この記事へのトラックバックURL
http://a-thera.com/tb/1843537

この記事へのトラックバック

09.09.22小国玉川
Excerpt: やっと頭に残っていたもやもやが晴れました。07年10月21日の私は小国玉川に惨敗を喫したのです。この川に行く前にプールで100本ロールを行い望ギ..
Weblog: ちょいと川へ
Tracked: 2009-09-26 21:37

9/22.憬れの小国玉川
Excerpt: 【Data】小国玉川(約8.2キロ)/ 水位0.93m(玉川)/ 気温と水温 未測定 / 天候曇りたまに降ったり晴れたり / 所要時間PutIn12:20→TakeOut15:20
Weblog: 漕ぐログ -川遊び犬solaがカヌーで下った漕行記-
Tracked: 2009-09-27 07:01