2009年08月29日

【番外編】浦山川(荒川水系)探訪

浦山ダム流入量:0.0t〜0.3t 放流量:9.5t
区間:冠岩川出合〜浦山口 所要時間:約2.0h メンバー:ソロ


 2時に起床。
 一昨日は学生時代に愛用していたiMacのデータ移管で徹夜していたので、全然寝足りません。エネルギー補給のため嫁さんが作ってくれておいたタイカレーを食べましたが、胃がもたれて余計気分が悪くなってきました。
 3時半に出発。
 圏央道入間ICからR299で秩父市へ。Tシャツ一枚ではもう寒い。夏の終わりというか、もはや秋の到来を感じさせる肌寒さです。
 5時半過ぎに浦山ダムに到着。

 きっかけはG君がケータイカメラで撮影してきた数枚の写真でした。秩父鉄道終点、三峰口よりさらに上流約9kmにある「道の駅大滝」付近で撮ってきたというそれらは、なかなかに迫力のある岩絡みの瀬が写っていました。
 これまで荒川といえば長瀞しか知らず、秩父市より上流は複数のダムがあるということを除けば、脳内ではほぼ空白地でした。好奇心がなければ、地図を眺めても何も見てないのと同じなんですよね。今回、下る対象として明確な意志を持って見ることで、荒川上流域の輪郭が徐々にその形を為してきました。

 まずは水量の把握を試みました。
 水位観測所は、落合(中津川出合上流100m)にあります。過去のデータを調べると、11時や16時頃に俄かに水位が20cmほど上昇しています。
 また、荒川上流ダム群(二瀬ダム滝沢ダム、浦山ダム)では流入量・放流量のデータがリアルタイムで公開されていました。過去のデータとあわせて調べてみると、二瀬ダムは8時頃に3.3tほど放流を開始しており、夜間は放流していないことが掴めました。滝沢ダムは常時0.5tを放流。日中は合わせて4t近くの水量があることが推測できます。ただ気になるのが落合観測所水位が上下する時間帯とダムの放流時間に関連性が見えないこと。これに対する回答の仮説は現地を訪れた後で思い浮かんだんですが、この段階では不明のままでした。結論だけ言えば、落合の水位と二瀬ダム放流量だけでは現地の水量を把握することは困難です。
 ちなみに浦山ダム放流量は3t台が多いですが、ここ3日間は9t出してました。いま長瀞を流れる水の約半分はこの小さな支流(流入量約1t)が貯めたものだったことを初めて知りました。

 また、水量の把握と合わせて行ったのが地図の確認です。GoogleMapではこのエリア一帯は地図、航空写真共に比較的鮮明なので、堰堤や発電所の位置だけでなく、大まかな川相まで把握できました。
 確かに、楽しそうな川相が続いています。多摩川の場合だと、御嶽以外にも鳩ノ巣渓谷、惣岳渓谷、丹波渓谷、日原渓谷、秋川渓谷など周辺部にも幅広く目を向けられたのに、荒川では長瀞以外に興味をほとんど示していませんでした。アンテナの能力がまだまだ低いということですね。もっと出力を高めなくては…。

 さて、そんな背景がありまして荒川上流部にやって来た次第。少しでもたくさん下見しようと早めに着いたのですが、事前調査の結果では二瀬ダムの放流開始は7〜8時以降でした。水のない川を見るより別の川を下見してみようと気が変わり、行き先を支流浦山川に変更しました。ここのダムは現在9t放流中でして、本日のメインターゲットが下れない場合の保険としたい思惑もありました。

 ダムのゲートを歩いていると、へんてこなオブジェがありました。

 鯉の後生車
 『「恋のお願い聞いてください 後生だから」と言って、一回、二回、三回と車を回すと願いが叶います。』

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 ちょっと前の花鳥なら何かやってくれてたと思いますが、最近は独り者が少ないので残念ながら使えなさそうです。

 ダム下の川の流れは期待通り豊富な水量が流れています。ただ、ちょっと距離が短すぎるかな。まだ時間もあるし、ダム上も見てみようと思い立ちました。

 冠岩川との出合まで遡上し、時々これはというところでクルマから下りて写真撮影。川沿いに車道が走り、高低差もないので下見はしやすいほうでした。


より大きな地図で 浦山川(毛附トンネル〜浦山ダム) を表示

 ◆浦山ダム上流部

 冠岩川から毛附トンネルまでの区間は砂防堰堤が二箇所。避けようがないのでいったん車道まで上陸する必要がありそうです。
 ゴルジュ帯は一箇所、二つ目の砂防堰堤から大日橋までの区間にありました。増水するとエグそうな感じです。近くにはマムシがクルマにひかれて潰れてました。かなり山深い。

 毛附トンネル上流部で細久保谷が合流して水量アップ。相変わらず下れる水量には至りませんが、増水時にもし下るとすればここからですかね。

 トンネルショートカット部分は何かあるかなと思い、旧道を走ってみましたが、広大な川原が広がり、瀬はない模様。トンネル出口付近にクルマで川原に乗り入れ可能な入川道がありました(有料)。

090830urayama57.jpg

 トンネル下には巨大な砂防堰堤がありました。どおりで上流部がやたら川原で埋まってんなと思いました。落差は5mくらいと思われます。
 しかしこの堰堤、珍しい形状をしていて、流れが一箇所に集まり、前方に勢い良く飛び出しています。こないだ下った河津七滝の蛇滝みたい。着水点も水深があるようですし、飛ぼうと思えば飛べるかも…!?
 課題はラナのポーテージです。いったん車道に上がればポーテージ可能ですが、堰沿いを巻けそうな道は車道からでは発見できませんでした。

 ★毛附トンネル下(一発目)

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 少し下ると、大神楽橋の下流にまた堰堤があります。落差は2m程度で一発目に比べると気楽な気がします。右岸には幅広く勾配の緩い見事な魚道が設置されています。これならたぶん魚は上がれるんでしょうが、一発目とこの下の三発目に魚道がないのにここだけ作って何の意味があんねんと感じる人は多いんじゃあないでしょうか。

 ★大神楽谷出合下(二発目)

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 しばらく下流へ進むと、河川管理境界の看板が現れます。上流は埼玉県、下流は国交省の管理となります。この看板の下にも堰堤がありました。形状や落差は一発目と同程度。着水点が見えづらかったんですが、ちょっと浅そうな印象を受けました。

 ★河川管理境界看板下(三発目) 

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 さすがにもうお腹いっぱいなんでそろそろ勘弁と思いきや、まだありました。今までと明らかに違うタイプで、手前にプールができていて貯水ダムに近い。後で調べるとここが「清水バイパス」の取水工のようです。取水量は0.7t。
 形状的に、下るのは無理そうです。左岸のスロープを使ってポーテージが無難かと。右岸側の様子は施設が邪魔になって見えません。
 施設へ下りる道がありましたが、立入禁止だったので引き返しました。ちなみに施設へ下りる道を塞ぐようにクルマを停めて、プールで釣りをしている人がいました。どこか他にも下りられるところがあるんでしょうか…?

 ★清水バイパス取水工(四発目)

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 堰堤はまだありました。不動橋の直下。クルマで走っていると死角となって気付きにくい位置です。2m強が一段と、1m程度が一段の二連続。狙うなら右岸ベタかなあ。適度な水量ならこれも越えられるかも。

 ★不動橋下(五発目・ラスト)

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 判断しづらいですが、清水バイパスより下流はおそらく減水しているように思えました。浦山ダム流入量は、この減水後の数値かと推測されますので(観測所の位置が取水工より下流にあることが前提ですが)、取水工までの実際流量はプラス0.7t加える必要があるかと思います。といっても、流入量のデータは雨が降っていなくても変動しているので、24時間フルで0.7t取水しているわけではない可能性もあり、鵜呑みにはできませんが。

 テイクアウトは、右岸の山掴トンネル付近からできそうです。

 「浦山渓谷」という言葉の響きから連想する川相のイメージと眼前に広がる人工物のオンパレードには大きな隔たりがあり、正直落胆しましたが、「滝落ちアトラクション施設」という観点から見ればかなり魅力的ではあります。機会あればぜひチャレンジしたいと思いました。水量は浦山ダム流入量3〜4tくらいが良いかもしれません。ただソロでやるにはポーテージ、レスキュー面でちょっとリスキーなので、仲間が欲しい。

 いつもの漕ぎ仲間、NKC関東支部のG君はこれから休みが合わなくなるみたいなので厳しいでしょう。
 花鳥はどうでしょう。たぶん、「そんなとこ行くわけないじゃないですかッ。長瀞にしましょうよ!」って言うやろなあ…。
 誰か一緒に下ってくれる人はいませんでしょうか。興味があるという風変わりな方はぜひご連絡をいただきたくお願いします。

 ◆浦山ダム下流部

 さて、ダム上の下見を丹念にやってしまったため、予想以上に時間が経ってしまいました。7時に約束の場所に集合するのはもはや確実と無理と認識しながらも、誘惑には勝てずダム下の下見へ向かう(G君ゴメン)。

 ダム直下には木立に囲まれた渓谷が短いながらも存在しています。たぶんダムに消された渓谷の生き残りかと思われます。ところどころ落ち込みも見えて、かなり面白そう。ダムのてっぺんから覗いていた時、右岸側に入川道が見えたので、ダム下に回り込んでみました。
 しかし、残念ながら立入禁止( ̄□ ̄;)!!

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 左岸沿いに入れそうな場所を探しましたが、急な崖がずっと続いていて、とても降りられそうにない…。
 ついに放水口まで辿り着いてしまいました。

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 浦山ダムは放水真っ最中。さすがに9tも出していれば相当迫力あります。ダムの放水といえば、なんかシャワーみたいに前方にぶちまけるイメージでしたが、ここのは斜めにカットされた穴から真下に水が出ていました。



 無念にも結局入川道は見つからず。諸上橋まで退却。ちなみに下流右岸側には秩父漁協の事務所があります。

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 右岸沿いに下流へ走っていくとまもなく蛇行区間となりますが、ここでようやく入川道を発見しました。

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 しかしここまで下りてしまうと、荒川本流までは約1km程度しかありません。この水量は魅力ですが、さすがに距離がちょっと短すぎるかな…。

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 このあたりは車道が川から離れていて、安全に下るにはクルマから下りて道を探しながらもう少し丹念に下見する必要がありましたが、さすがにこれ以上時間をかけるのはヤバいと思って切り上げ、三峰口に向かいました。
 約1時間の遅刻でした。ごめんなさい。

 ◆参考資料

 浦山ダム流入量・放流量
http://chichibu-sakurako.org/arasou/kanri/arasou/G100010501.htm
http://www.water.go.jp/kanto/arakawa/takizawa/html/new/damsyoryou.htm

ニックネーム ラナ父 at 06:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 【番外編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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